都電は正式名称を東京都電車と言い、東京都電車条例に基き東京都が経営する路面電車である。最盛期には41系統・総延長213kmに及んだが、経営悪化と自動車の増加に伴い廃止が相次ぎ、現在は都電荒川線を残すのみとなっている。撤去された路線の多くは道路として利用された。車庫は目黒車庫、杉並車庫、巣鴨車庫、早稲田車庫等は都電を継承する都バスの車庫に転用された。芝浦にあった車両工場は芝浦アイランドと呼ばれるタワーマンションとなった。
 都電の歴史は1903年に馬車鉄道である東京馬車鉄道が、電車に転換して誕生した東京電車鉄道から始まる。1911年に東京市が東京馬車鉄道が合併して誕生した東京鉄道を買収し、東京市電となった。1943年に東京都が誕生し他のに伴い、東京市電気局を東京都交通局に改組して都電が誕生した。1967年～1972年には多数の路線が廃止され、早稲田-三ノ輪橋間のみが都電荒川線として残されて今日に至っている。尚、都電荒川線は27系統の赤羽-三ノ輪橋間と32系統の荒川車庫前-早稲田間のうち、27系統の赤羽-王子駅間が廃止され、両系統が統合された路線となっている。また、27系統と32系統は王子電気軌道株式会社によって開設された路線で、1942年に東京市に事業譲渡された。1927年には三ノ輪橋駅近くに、王電ビルヂングと呼ばれる本社ビルが建設された。この王電ビルヂングは梅沢写真館ビルとして同じ場所に現存する。
 都電の車両は170形、5000形、5500形、6000形、7000形、7500形、8000形が各地に保存されている。