山梨県にある御岳・昇仙峡は秩父山系の主峰、金峰山（標高2595m）を源とする、荒川が作り出した約5kmにわたる渓谷である。昇仙峡の歴史は古く、江戸末期天宝年間の御岳新道の開削をきっかけとして世に知られるようになった。昇仙峡一帯は国の特別名勝に指定されている。昇仙峡の入口に当たる天神森から上流の仙娥滝までの道のりは花崗岩でできた奇岩怪石が随所に見られ、天狗岩、鎧岩、さらには亀石･オットセー石･大砲岩等それぞれに名前が付けられている。なかでも約180mもの高さを誇る巨岩の覚円峰は必見である。
　滝上まで続く渓谷沿いの車道はオフシーズンの平日のみ登り一方通行で、一般車も通行可能である。天神森から渓谷の中ほどに位置する能泉までトテ馬車に乗り、そこから遊歩道でハイキングを楽しむのが一般的なコースである。トテ馬車は通年運行している。昇仙峡は桜とミツバツツジ、新緑の春、紅葉の秋が特におすすめである。また、昇仙峡は水晶の産地としても有名である。